IT/AI救済センター

コラム / 解析・計測 /

GA4移行で死ぬほど見たやらかし7選 ─ 計測停止・データ消失・誤計測の現場メモ

2023年7月のUA停止から半年経っても、まだ「あの数字が違う」が止まらない

📖 約12分 / 公開日: 2026/05/17

2023年7月1日に Universal Analytics の標準プロパティが停止して、もう1年以上が経つ。それでも GA4 移行が原因のトラブル相談は減らない。むしろ増えている。理由はシンプルで、UA時代の運用知識がGA4で通用しない場面が多すぎるからだ。

最近よく見るやらかしを7つ整理する。どれも実話だが、企業を特定できる情報は伏せた。

## 1. UAタグだけ残してGA4タグを入れ忘れた

2024年10月、SaaS企業から「サイトのアクセス数がゼロになっている」と緊急相談。確認するとGoogle Tag Manager に UA タグだけが入っており、GA4 のタグが一度も発火していなかった。

UA は2024年7月に完全停止(標準プロパティは2023年7月、有償の Analytics 360 も2024年7月にデータアクセスを停止)したが、サイトに残ったタグ自体はエラーを出さない。ただ何も計測されないだけ。担当者が GA の管理画面を開かない限り、半年でも1年でも気づかない。

対処は単純だが、失われた期間のデータは戻ってこない。GA4 設定後の数字が「前年比」として比較できないという地味なダメージが残る。

## 2. eコマースイベントの仕様変更を見落とした

UA の Enhanced Ecommerce では `productClick`、`productDetailImpression` のようなイベント名だったが、GA4 では `select_item`、`view_item` に変わった。パラメータ名も `id` → `item_id` のように変更されている。

EC事業者で多いのが、「タグ移行はしたが、購買データが GA4 に流れていない」。よく見るとGTMのデータレイヤーが UA 仕様のままで、GA4 のイベント定義と噛み合っていない。GA4 の `purchase` イベントが空のまま、`gtag('event', 'purchase')` だけ呼ばれている状態だ。

対処は GA4 推奨イベント仕様書を読みながらデータレイヤーを書き直す。小さな EC でも2〜3日かかる作業だ。

## 3. クロスドメイン計測の設定漏れ

UA はクロスドメイン計測を「クッキー一致 + リンカー」で実現していた。GA4 は「測定設定 > ドメイン > リスト」で明示的に設定する形に変わった。

これを見落とすと、ショッピングカートが別ドメイン(example.com → cart.example.com)に遷移した時点でセッションが切れる。`cart.example.com/checkout` への流入が direct/none として記録され、コンバージョン経路が壊滅する。

設定自体は GA4管理画面で5分で済むが、設定漏れに気づかないまま3ヶ月運用して「コンバージョン数がおかしい」と言われるパターンが本当に多い。

## 4. データ保持期間 14ヶ月 のまま放置

GA4 のデータ保持期間は標準で「2ヶ月」(探索レポート用のユーザーデータは標準2ヶ月、最大14ヶ月)。UA は「指定なし(無期限)」だった企業も多いはずだ。

気づくのは「去年同月との比較がしたい」と言われた時。データがなくて作れない。後から設定変更しても、過去のデータは復活しない。

GA4 を新規導入したら真っ先に「データ保持期間を14ヶ月(最大)」に変える。これは必須。BigQuery エクスポートを併用すれば、生データを別途無期限保持できる。BigQuery のコストは小規模サイトなら月数百円〜数千円。

## 5. コンバージョン数値が UA と一致しない

UA と GA4 を並行運用していた期間に、ほぼ100%発生する「数字のズレ」。Google公式も「両者の集計仕様が違うので一致しない」と明言している。

主な原因はセッション計測ロジックの違い。UA はセッションタイムアウト30分で session を切る仕様、GA4 はもっと柔軟(複数の条件で新セッション扱い)。さらに UA は流入元キャンペーン情報を session で固定するが、GA4 はイベント単位で attribution model を適用する。

どちらが「正しい」というより、別の集計をしていると考えるべき。マーケティング報告に使う数字を、移行のタイミングで定義し直す必要がある。「コンバージョン率」「セッションあたり広告費」のような複合指標は特に注意。

## 6. Bot トラフィック除外の設定漏れ

GA4 は「既知のbotを自動除外」する仕様だが、業種特有のクローラーや、自社サーバの監視ツールからのアクセスは除外されない。GA4 では UA 時代のような「フィルタ」機能がなくなり、データストリーム単位での内部トラフィック設定に変わった。

QAテストツール、Pingdom、UptimeRobot などからの定期アクセスが計測に混入すると、特にPV数の少ないサイトでは「直帰率が異常に高い」「平均滞在時間が短い」の歪みを生む。

対処は GA4 管理画面の「データストリーム > 内部トラフィック」で内部IPを定義し、「データフィルタ」で除外する。フィルタは「テスト」「適用」「無効」の3状態あるので、最初は「テスト」で観察してから「適用」する。

## 7. Search Console連携の解除

GA4 と Search Console を連携することで、検索クエリと GA4 のページパフォーマンスを並べて見られる。これが UA 時代より格段に使いやすい。

なのに連携していない。「過去にUAで連携していたから済んでいる」と勘違いしている人が多い。UA の連携は GA4 に引き継がれない。明示的に GA4 のプロパティ設定で再連携が必要。

以上7つ。どれも単独では大した話ではないが、複数が重なると数字が壊滅する。GA4 移行を「タグを差し替えた」で終わらせた企業は、もう一度ゼロから設定を見直したほうがいい。

なお、Looker Studio(旧 Data Studio)のレポートも、GA4 データソースに差し替える際にディメンション名が変わっている。「セッション」が「sessions」、「ユーザー」が「totalUsers」のように。既存レポートが空欄になっている事例も多い。

具体的な状況をご相談ください

記事の内容に該当しそうなら、まずは60分の無料相談でご相談を。

60分無料相談を予約
緊急 AI診断 60分予約